イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」は日本時間の10月12日、2023年の「THE世界大学ランキング」を発表しました。トップは7年連続でオックスフォード大学。トップ10には、アメリカのシカゴ大学と入れ替わる形でイギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンが入り、アメリカ7校、イギリス3校に。東京大学は前年から4ランク下がって39位、京都大学は7ランク下がって68位でした。
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アメリカはランクイン総数、上位ランクイン数ともに減少今回、ランキング対象になったのは104の国・地域の1,799校で、前年から137校増えて過去最多でした。国・地域別では177校のアメリカが今回もトップですが、前年から6校減少しています。これに次いで日本が117校(前年118校)、イギリスが103校(前年101校)でした。オックスフォード大学に次ぐランキング2位はハーバード大学(前年と同じ)、3位は同率でケンブリッジ大学(前年5位タイ)とスタンフォード大学(前年4位)。前年2位タイのカリフォルニア工科大学は6位に下がりました。前年10位のシカゴ大学が13位に下がり、代わって前年12位のインペリアル・カレッジ・ロンドンが10位でトップ10入り。前年、16位タイで並んでいた中国の清華大学と北京大学は今回、16位と17位で、いずれもトップ20の位置をキープしました。
トップ 100 にランクインしたアメリカの大学は、2018 年の43 校をピークに減少傾向にあり、今回は 34校。ランクイン総数、上位でのランクイン数など、さまざまな面でアメリカのポジションの下降が見られます。
統合で誕生した大阪公立大学が初めて参加日本のランキング対象117校は下表のとおりです。
世界39位の東京大学、68位の京都大学に続く日本勢3位は、201–250位の東北大学(前年も同じ)。これに251-300位の大阪大学 (前年301–350位) 、301-350位の名古屋大学 (前年351–400位)が続き、それぞれ前年から1バンドのランクアップとなります。大阪市立大学と大阪府立大学(いずれも前年1,201+)の統合によってできた大阪公立大学は、新大学として今回初参加し、1,201-1,500位でした。私立トップは601–800位の関西医科大学(前年も同じ)と産業医科大学(前年401-500位)です。THEは「日本の大学のランクイン校数はアメリカに次いで多く、日本の教育が真の多様性を備えた総合的で強力なセクターであることを示している。トップ100 への2校のランクイン、大阪大学と名古屋大学のトップ 500内での着実な順位上昇など、日本は世界ランキングにおいて全体的に強い地位を維持している」とコメントしました。5分野13指標でスコアを算出「THE世界大学ランキング2023」は基本的に前年と同じ指標を用い、教育、研究、被引用論文、国際性、産業界からの収入の5つの分野について、13の指標で各大学のスコアを算出しています。各分野・指標の比重は以下のとおりです。
◇教育(教育環境)30%・評判調査<教育>15%・学生に対する教員比率4.5%・学士課程学生に対する博士課程学生比率2.25%・教員に対する博士号取得者比率6%・大学の総収入2.25%
◇研究(量、収入、評判)30%・評判調査<研究>18%・研究関連収入6%・学術生産性6%
◇被引用論文(研究影響力)30%
◇国際性(教員、学生、研究)7.5%・外国籍留学生の割合2.5%・外国籍教員の割合2.5%・国際共同研究2.5%
◇産業界からの収入(知の移転)2.5%