○近年の食の安全確保、人獣共通感染症への対応、獣医療サービスの多様化・高度化、公務員や産業動物診療に従事する獣医師の減少など、我が国の獣医学教育を取り巻く環境が変化する中で、社会的ニーズに対応した獣医学教育を実現するため、教育内容の改善が必要ではないかとの指摘がある。
○また、欧米諸国と比べ、臨床分野の教育が十分でないことや教育研究体制が小規模であるなど、国際的通用性が十分確保できていないのではないかとの指摘がある。
○我が国の大学教育については、グローバル化する知的基盤社会の中で、国際的通用性を備えた質の高い教育を行うことが課題となっており、特に、教育の質の保証の観点から、学生の学習成果の重視、自己点検・評価や外部評価、大学間の連携などの取組が求められている。
2.検討の視点例○獣医学教育において身に付けさせるべき知識・能力の在り方について
・獣医学教育は、獣医学に関連した社会的使命を遂行し得る人材を養成することを目的としており、獣医師として独立して飼育動物の診療や健康を維持増進する職務に従事するために必要な知識・技能を身に付けさせるとともに、動物及びそれらの生産物を介する人獣共通感染症を未然に防止する公衆衛生上の職務を遂行し得る能力を付与するほか、社会の要請に基づく獣医学に関連する分野の職務に必要な基礎的な知識・技能を付与するものである。
獣医学教育を取り巻く環境が変化する中で、大学の獣医学教育において、学生に身に付けさせるべき知識・能力とはどのようなものか。
○教育内容・方法の在り方について・社会的ニーズへの対応や国際的通用性の確保の観点から、教育内容についてどのような改善が必要か。特に、公衆衛生学や内科・外科学に関する教育、産業動物に関する教育、総合臨床実習の充実などが指摘されているがどうか。
・教育方法についてどのような改善が必要か。
○教育研究体制の在り方について │・ 獣医学教育を行うに当たっての教員配置の在り方やその適正規模についてどのように考えるか。
(例専任教員数の在り方等)
・ 学生の臨床実習機能や地域の獣医師のスキルアップ機能を担う附属家畜病院の在り方について、どのような改善が必要か。
(例臨床実習機能の在り方、職員の配置の在り方等)
・ 各大学の特徴を生かしつつ、質の高い教育サービスを提供するための大学間連携をどのように進めていくべきか。
(例教育課程の共同実施制度の活用等)
○教育の質の保証の在り方について │・ 各大学における獣医学教育の水準を確保するとともに、学生が修得すべき学習成果を保証するためにどのような取組が必要か。
(例モデルとなるコア・カリキュラムの作成、到達すべき共通の目標の設定等)
・獣医学教育に関する自己点検・評価や外部評価をどのように進めていくべきか。特に、第三者評価については、分野別の質保証の枠組みづくりが重要な課題となっているが、獣医学分野において分野別の質保証をどのように進めていくべきか。
(例評価基準の在り方、評価団体等)
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