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東証株価指数(TOPIX)とは?意味や投資への活用法などをわかりやすく解説します

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やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

「東証株価指数(とうしょうかぶかしすう)」とは、東証プライム上場銘柄と東証スタンダード上場銘柄(一部※1)の時価総額の合計を、銘柄数で割って計算した株価指数です。別名、「TOPIX(トピックス)」と呼ばれます。

日経平均株価と並んで、日本を代表する指数です。株式市場の温度感を調べるときに使われるほか、投資信託や個人投資家の運用成績のベンチマーク※2としても使われています。

※1 東証一部から東証スタンダードへ市場変更した銘柄が対象となります。※2 ベンチマークとは、「目安」の意味です。たとえば、東証株価指数をベンチマークにする投資信託は、東証株価指数を上回る運用成績を目標にしている投資信託と言えます。

東証株価指数の詳しい解説東証株価指数の見方

東証株価指数の単位は、「ポイント」です。「円」で表される日経平均株価とは違うので、注意しましょう。単位が「ポイント」になっている理由は、東証株価指数は1968年1月4日(基準日)における東証一部の時価総額※3を100として、時価総額が基準日と比べてどれだけ増えたか減ったかを表す指数だからです。

※3 時価総額(じかそうがく)とは、会社の価値を表す指標です。別の見方をすると、会社を丸ごと買うのに必要な金額(会社に付けられた値段)となります。

2022年4月13日終値時点の東証株価指数※4は、1,890.06ポイントとなっています。基準日である1968年1月4日時点が100だったので、この50年ほどで東証一部の時価総額が約19倍に増えました。ここで、SBI証券のマーケット情報を参考に、東証株価指数の10年間の動きを見てみましょう。

※4 2022年4月4日に東証の市場再編がおこなわれ、東証一部に上場していた銘柄は、東証プライムや東証スタンダードに移行しました。このような変化がありましたが、2022年4月4日現在、東証株価指数はこれまで通り算出されています。

<東証株価指数の時系列推移(10年間)>

東証株価指数の時系列推移(10年間)

(出典:SBI証券)

2011年ごろは約800ポイントだった東証株価指数が、2022年4月には1,890ポイントまで上昇しています。東証株価指数は、東証プライムや東証スタンダードに上場する会社の時価総額を元に計算されています。つまり、この10年間でこれらの市場に上場している会社の業績が良くなり、時価総額が高まったと言えるのです。

東証株価指数と日経平均株価の構成銘柄や計算方法の違い東証株価指数と日経平均株価の違い

(出典:楽天証券)

※画像内では東証株価指数が「東証1部に上場している全銘柄 ※1,976銘柄」となっていますが、市場再編により「東証プライムや東証スタンダードに上場している一部の銘柄 ※2,178銘柄」が正しい表記となります。

東証株価指数と日経平均株価の違いをまとめると、上の画像のようになります。両者の違いは2つあります。それぞれ見ていきましょう。

1つ目の違いは、構成銘柄の違いです。日経平均株価は、日本経済新聞社が選んだ日本を代表する225銘柄で構成されています。これに対し、東証株価指数は、東証プライム上場銘柄と東証スタンダード上場銘柄の一部(2022年4月4日現在は2,178銘柄)で構成されています。

このように、構成銘柄の数が大きく違うので、その動きにも違いが出ます。日経平均株価は採用された225銘柄のみの動きに影響され、東証株価指数は東証プライムや東証スタンダードの動きに影響されます。この点から、東証株価指数の方が市場全体の動きを表していると言えるのです。投資信託や株式投資のベンチマークとして、東証株価指数が使われるのはこのような理由があります。

2つ目の違いは、計算方法の違いです。日経平均株価は、構成銘柄の「平均株価」を元に計算しています※5。これに対し、東証株価指数は、構成銘柄の「時価総額」を元に計算しています※6。指数の計算方法の違いが、それぞれの株価指数の動きの違いを生み出しています。

※5 日経平均株価は、「225銘柄の株価合計÷24.917」で計算されます。分母が225ではないので違和感を抱く方が多いと思いますが、これは株式分割などを反映したためです。※6 東証株価指数は、「構成銘柄の時価総額合計÷基準時価総額×100」で計算されます。

具体的に、2つの株価指数の動きにどんな特徴があるかを説明します。構成銘柄の平均株価が元になっている日経平均株価は、「株価が高い銘柄(値がさ株)」の動きに影響されます。反対に、構成銘柄の時価総額が元になっている東証株価指数は、「時価総額が大きな銘柄(大型株)」の動きに影響されるのです。指数の動きを追いかけるときには、このような性質に注意して数字を読み解きましょう。

東証株価指数への寄与度が大きい銘柄

東証株価指数と日経平均株価の違いで、東証株価指数は「時価総額が大きな銘柄」の動きに影響されると説明しました。つまり、時価総額が大きな銘柄ほど、東証株価指数への寄与度が大きくなるのです。

それでは、どの銘柄の寄与度が高いのか、「東証株価指数の構成比率が高い銘柄ランキングTOP10」を見てみましょう。

東証株価指数 構成比率上位10銘柄順位銘柄名銘柄コード)構成比率時価総額1トヨタ自動車(7203)4.20%34兆5,796億円2ソニーグループ(6758)2.87%14兆5,024億円3キーエンス(6861)1.89%13兆6,245億円4三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)1.71%9兆9,177億円5リクルートホールディングス(6098)1.38%9兆1,531億円6東京エレクトロン(8035)1.37%8兆7,551億円7日本電信電話(9432)1.31%13兆5,463億円8任天堂(7974)1.27%8兆3,817億円9ソフトバンクグループ(9984)1.17%9兆6,348億円10信越化学工業(4063)1.15%7兆2,812億円

(2022年4月現在)

構成比率上位10銘柄は、誰もが一度は名前を聞いたことがある企業が名を連ねています。東証株価指数の動きを追いかける際は、これらの銘柄の動きにも目を向けましょう。なお、東証株価指数を構成する全銘柄の構成比率は、日本取引所グループのTOPIX(東証株価指数)で確認できます。

東証株価指数に連動するETF

東証株価指数に連動するETFは、なんと9種類もあります。先ほど、東証株価指数は中長期的に見ると、右肩上がりになっているとお伝えしました。つまり、東証株価指数に連動したETFに投資していれば、資産を増やせるかもしれないのです。個別株への投資以外にも、ETFをうまく使って投資したいですね。

それでは、東証株価指数に連動したETFに、どんなものがあるかを見ていきましょう。下の一覧表では、ETFを銘柄コード順に並べ、信託報酬、売買単位、純資産総額、出来高をまとめました。

銘柄名銘柄コード)信託報酬売買単位純資産総額出来高ダイワ上場投信-トピックス(1305)0.121%10口7兆2,440億円109,730口NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)0.0968%10口15兆7,069億円1,304,720口上場インデックスファンドTOPIX(1308)0.0968%100口7兆3,011億円169,400口MAXIS トピックス上場投信(1348)0.0858%10口2兆3,573億円39,000口One ETF トピックス(1473)0.0858%10口3,545億円61,900口iシェアーズ・コアTOPIX ETF(1475)0.066%1口7,571億円265,865口NZAM 上場投信 TOPIX(2524)0.0825%10口1,404億円1,580口SMDAM トピックス上場投信(2557)0.0814%10口343億円570口iFreeETF TOPIX(年4回決算型)(2625)0.066%1口379億円6,841口

(2022年4月現在)

9種類もETFがあると、どれに投資すればよいか迷う方が多いと思います。そこで、ETFを選ぶ際の注目ポイントを紹介します。

ETFを選ぶ際の注目ポイント

信託報酬が安い(コストは安いほうがよいため)純資産総額が大きい(純資産総額が大きいほうが安定しているため)出来高が多い(出来高が多いほうが取引をスムーズにできるため)

以上3つのポイントを総合的に見ると、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)がおすすめです。このETFは、信託報酬が特別安いわけではありませんが、純資産総額が15兆円と最も大きく、出来高が100万口以上もあるので、安定したETFと言えます。

なお、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)の2022年4月13日の終値は、1,990円でした。このETFは10口から買えるので、必要投資金額は2万円ほどとなります。

投資をはじめたばかりの方や、投資金額が少ない方は、1口から買えるiシェアーズ・コアTOPIX ETF(1475)に投資するのもよいでしょう。2022年4月13日の終値は1,946円なので、2,000円ほどあれば投資できます。純資産総額もそれなりに大きく、出来高もしっかりあるので、安心して投資できます。

ご自身の投資スタイルや金額に合わせて、ETFを選んでください。

日銀による東証株価指数ETF買い

日本銀行(以下、日銀)は、ひんぱんに株式市場でETFを買っています。ETFを買う理由は、金融システムや物価を安定させないといけないからです。日本経済は、バブル崩壊やリーマンショックによって低迷しています。そのまま放っておいたら、金融システムや物価が不安定になるかもしれません。

このような事態に陥らないようにするには、経済が低迷している原因を突き止め、解消する必要があります。経済が低迷した原因は、世の中に十分な量のお金が出回らなくなったことです。つまり、経済の低迷から抜け出すためには、世の中に出回るお金を増やす必要があります。この手段のひとつとして、2010年に「ETF買い」が考えられました。

ETFと言っても、種類がたくさんあります。日銀が購入対象にしたのは、「東証株価指数・日経225・JPX日経400」の3つの指標に連動するETFです。購入額は毎年増えていき、株式市場への影響が大きくなってきたので、問題視する声があがるようになっていました。

そのような状況の中、日銀が2021年3月19日に発表した「より効果的で持続的な金融緩和(PDF)」の中で、ETF買いの方針が変更されました。どのような変更点があったのかをまとめると、下の表のようになります。

変更点変更前変更後購入するETF東証株価指数(TOPIX)連動型日経平均株価連動型JPX400連動型東証株価指数(TOPIX)連動型のみ年間購入額年間6兆円上限12兆円上限12兆円※年間購入額は撤廃

※2021年3月19日時点の情報です。

変更点の中でも注目したいのは、購入するETFの種類が東証株価指数連動型のみになった点です。種類を一本化した理由は、特定の銘柄で日銀の保有割合が高くなってしまったからです。個別銘柄の株価をゆがめてしまう可能性が出てきたので、構成銘柄数が最も多く、個別銘柄の偏りが小さい東証株価指数連動型に限定されました。

日銀は、「国内最大の株主」と呼ばれるほど、大きな影響力を持った投資家です。この方針転換により、日経平均株価の上位銘柄が売られやすく、東証株価指数の上位銘柄が買われやすくなります。

まとめ

東証株価指数(TOPIX)は、東証プライム上場銘柄と東証スタンダード上場銘柄の一部の動きを表す株価指数です。日経平均株価と並ぶ日本を代表する株価指数で、株式市場の温度感を調べるときや、運用成績のベンチマークとしても使われています。日経平均株価よりも構成銘柄数が多いので、株式市場全体に近い動きをします。ただし、時価総額が大きな銘柄(大型株)の動きに影響される点には、注意が必要です。

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やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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