令和2年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における試験Ⅰ問題1の解説です。
お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。
令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験問題著:公益財団法人日本国際教育支援協会, 編集:公益財団法人日本国際教育支援協会¥1,540(2024/11/06 14:15時点 | Amazon調べ)Amazon楽天市場ポチップ目次(1)調音点日本語教育能力検定試験のトップバッターの問題は、例年「音声記号」です。これは、私が過去問を持っている「平成26年度試験」から変更ありません。
試験Ⅰ 問題1は、【】に示した観点から見て他と性質の異なるものを選ぶ問題です。(1)であれば、今回の【調音点】以外にも、子音では【調音法】・母音では【唇のまるめ】などが出題されています。
まずは、用語の確認からしていきましょう。
解説調音点声道で鼻腔への通路を開閉したり、舌や唇を動かしたりして、声道の形などを変え様々な言語音をつくることを「調音」と言います。
●両唇●歯茎●硬口蓋などの調音を行う器官が調音点です。
解説調音法関連する用語も合わせて整理してしまいましょう。
呼気を妨害して子音を調音するときの方法を「調音法」と言います。日本語の子音は①声帯振動の有無(無声音・有声音)②調音点(どこで)③調音法(どのように)の3点の組み合わせで音が決まります。
その答えになる理由選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1[θ]無声歯摩擦音2[m]無声両唇鼻音3[b]有声両唇破裂音4[ɸ]無声両唇摩擦音5[p]無声両唇破裂音
[θ] のみ、調音点が「歯」ですね。1が正解です。日本語の子音にはない音で、think [θɪŋk] などが該当します。
日本語にない子音ばかりが出題される…ということはないので、全ての選択肢がわからなくても、消去法で解くことができるタイプの問題です。
また、この [θ] は平成28年度試験でも出題されています。(そのときは、誤答の選択肢の1つでした。)
過去問で取り組んだ年度の誤答が、今回の正答…というのはよくあるパターンです。誤答の選択肢の内容も、合わせて覚えてしまいましょう。
(2)ガ行音「ガ行」が出題されたときに真っ先に疑うのは、「鼻濁音になっていないか?」です。
解説鼻濁音「鼻濁音」とは、鼻音化された濁音のことで、通常は有声軟口蓋鼻音で発音される [ŋ] を指します。
「鼻濁音」になるのは、
語中・語尾助詞の「が」連濁になる場合「小学校」のような結びつきの強い語中です。
「連濁」とは、
長靴(ながぐつ)日差し(ひざし)
のように、2つの語が結びついて1語になる際に、後ろの語の頭の清音が濁音になる現象のことなので、あわせて覚えておきましょう。
ガ行の音は、
がっこう[ɡ]有声軟口蓋破裂音
のように、語頭では [ɡ] で発音されますが、
はがき[ŋ]有声軟口蓋鼻音
のように、語中では鼻濁音の [ŋ] で発音されます。
調音点が破裂音・鼻音で違いますね。
口腔断面図で表すと、
[ɡ]有声軟口蓋破裂音
[ŋ]有声軟口蓋鼻音
のように、鼻腔への通路が開いている・開いていないという違いがあります。
その答えになる理由選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1かいごし2ぎじゅつしゃ3だいがくせい4しゅげいてん5かぐや
2のみ、語頭で「鼻濁音」になっていません。これが正解です。
(3)アクセントによる弁別解説アクセントの弁別機能同じかなで表される語のどちらを指しているかを判断できるのは、アクセントの弁別機能によるものです。
あめ
という語だけでは、「雨」「飴」のどちらを指しているかがわかりませんが、
あめ(高低)
であれば、「雨」であることが
あめ(低高)
であれば、「飴」であることがわかりますね。
解説アクセントの統語機能語の切れ目がどこにあるのかを判断できるのは、アクセントの統語機能によるものです。
もう幸せ
申し合わせ
アクセントによって、「どこまでが一語か?」を判断できますね。
上の例だと、左が「もう+幸せ」の2語・右が「申し合わせ」の1語です。
その答えになる理由2語なので、アクセントは
平板式ー平板型(低高)起伏式ー頭高型(高低)のどちらかです。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
柿(低高)下記(高低)
のように、「かき」は、アクセント型によって語の弁別が行われています。
橋(低高)箸(高低)
のように、「はし」は、アクセント型によって語の弁別が行われています。
空き(低高)秋(高低)
のように、「あき」は、アクセント型によって語の弁別が行われています。
石(低高)医師(高低)
のように、「いし」は、アクセント型によって語の弁別が行われています。
風(低高)風邪(低高)
のように、「かぜ」は、アクセント型による語の弁別が行われていません。
5が正解です。
(4)音便解説音便「音便」とは、日本語の音韻変化の1つで、発音しやすいように語中・語尾の音がほかの音に変化する現象のことです。
どの音に変化するかによって
イ音便ウ音便撥音便促音便に分類することができます。
【イ音便】書く→書いて
【ウ音便】ありがたく→ありがとう
【撥音便】飛ぶ→飛んで【促音便】蹴る→蹴って
以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご確認ください。
あわせて読みたいイ音便・撥音便・促音便・ウ音便とは? 音便の種類を一覧で解説!【例文で学ぶ 日本語文法】今回は、活用語における✅ 音便とは?✅ 音便の種類✅ 動詞は、どのような場合に音便化するか?✅ 形容詞(イ形容詞)は、どのような場合に音...その答えになる理由選択肢を1つずつ見ていきましょう。
書く→書いた
1は、タ形にしたときにイ音便が現れます。
蹴る→蹴った
2は、タ形にしたときに促音便が現れます。
話す→話した
3は、タ形にしても音便が現れないですね。これが正解です。
住む→住んだ
4は、タ形にしたときに撥音便が現れます。
洗う→洗った
5は、タ形にしたときに促音便が現れます。
(5)音読みの種類(漢音・唐音)解説漢音漢音は、7~8世紀ごろの呉よりも北の地方の字音で、遣隋使・遣唐使や留学僧によって日本に伝えられました。各時代の政治的な普及の後押しもあり、音読みの中で1番数が多いと言われています。
人材(じんざい)尽力(じんりょく)終日(しゅうじつ)
解説唐音(宋音)唐音(宋音)は、10世紀以降の字音で、禅宗の僧や貿易商人によって日本に伝えられました。さまざまな地方の音が断片的に伝わってきているため、体系的ではありません。
呼び鈴(よびりん)金子(きんす)布団(ふとん)
その答えになる理由選択肢の漢字の読み方は以下の通りです。
呉音 漢音 唐音 力リキリョク– 子シシス 期ゴ・ギキ– 文モンブン– 下ゲカ–2のみ「唐音」、そのほかは「漢音」ですね。2が正解です。
音読みの種類である呉音・漢音・唐音については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご確認ください。
あわせて読みたい呉音・漢音・唐音(宋音)とは?音読みの種類と見分け方を一覧で解説!【例文で学ぶ 日本語文法】人間(ニンゲン)人力(ジンリキ)どちらも音読みですが、それぞれ呉音・漢音・唐音のどれに当たるでしょうか?今回は、それぞれの音読みの種類と見分け方について解説...(6)異字同訓解説異字同訓「異字同訓」とは、異なる漢字で同じ訓があることを言います。
その答えになる理由選択肢を1つずつ見ていきましょう。
切る斬る
のように、「切」には、同じ訓を表す異なる漢字があります。
興す起こす
のように、「興」には、同じ訓を表す異なる漢字があります。
採る取る
のように、「取」には、同じ訓を表す異なる漢字があります。
収める納める
のように、「収」には、同じ訓を表す異なる漢字があります。
届く
のように、「届」には、同じ訓を表す異なる漢字がありません。
5のみ、同訓異字がないですね。これが正解です。
(7)心理動詞の格解説格「格」とは、名詞と述語の間に成り立つ意味関係を表す文法的手段のことです。
イメージがつきにくいと思うので、例文で見ていきましょう。
子どもたちが公園で遊んでいる。
この文の述語は、「遊んでいる」です。
誰が遊んでいるかというと…
子どもたちが公園で遊んでいる。
のように、「子どもたち」ですね。「子どもたちが」の形で、述語「遊んでいる」という動きの主体を表しています。
また、どこで遊んでいるかというと…
子どもたちが公園で遊んでいる。
のように、「公園」ですね。「公園で」の形で、述語「遊んでいる」という動きの場所を表しています。
「格」とは、名詞と述語の間に成り立つ意味関係を表す文法的手段のことです。日本語の文には必ず述語があり、文中の名詞は述語との間に何らかの意味関係を持っています。
解説心理動詞「心理動詞」とは、喜怒哀楽や驚き・悲しみなどの人間の心の動きを表す動詞のことです。
喜ぶ心配するあこがれる
などが該当します。
その答えになる理由「心理動詞の格」という文法用語に面食らってしまいますが、「選択肢の心理動詞は、それぞれどの格助詞が必要か」というだけの問題です。
例文で考えてみましょう。
私は、彼の行動にあきれている。
心理動詞「あきれる」は、対象に二格をとります。
私は、彼が改心するのをあきらめた。
心理動詞「あきらめる」は、対象にヲ格をとります。
私は、彼をしたっている。
心理動詞「したう」は、対象にヲ格をとります。
私は、彼をうたがっている。
心理動詞「うたがう」は、対象にヲ格をとります。
彼をうやまうのも、もっともだ。
心理動詞「うやまう」は、対象にヲ格をとります。
1のみ、対象が二格で表されますね。これが正解です。
格助詞全般については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご確認ください。
あわせて読みたい格助詞とは?ガ格・ニ格…の用法を一覧で解説!【例文で学ぶ 日本語文法】今回は、✅ 格助詞の種類について、ゼロから一緒に勉強していきましょう。この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。ぜひ、以下をブックマークしてご...(8)ニ格名詞句の意味その答えになる理由格助詞「に」(ニ格)は、格助詞の中でも1番用法の種類があり、大きく
着点相手場所起因・根拠主体対象手段時領域目的割合の12個に分けることができます。
以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもあわせてご確認ください。
あわせて読みたい格助詞「に」(ニ格)の用法【例文で学ぶ 日本語文法】今回は、✅ 格助詞「に」の用法【ニ格】について、一緒に勉強していきましょう。この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。ぜひ、以下をブックマーク...今回の問題では、12個の用法のうち「着点」と「相手」が出てきています。
「着点」とは、物事の移動を伴う動作において、その移動が終わる位置のことです。
子どもが公園に着く。泥がズボンに着く。
「相手」とは、事態の成立に関与する、主体以外のもう一方の有情物のことです。
Aさんに話しかける。指名手配犯が警察に捕まった。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1の「小林さん」は、「習う」という事態の成立に関与する、主体以外のもう一方の有情物ですね。この場合のニ格は、相手の用法です。
2の「山田さん」は、「借りる」という事態の成立に関与する、主体以外のもう一方の有情物ですね。この場合のニ格は、相手の用法です。
3の「鈴木さん」は、「教わる」という事態の成立に関与する、主体以外のもう一方の有情物ですね。この場合のニ格は、相手の用法です。
4の「田中さん」は、「田中さんのところ」を表しているので、有情物ではないですね。財布の移動先なので、この場合のニ格は、着点の用法です。
5の「小川さん」は、「もらう」という事態の成立に関与する、主体以外のもう一方の有情物ですね。この場合のニ格は、相手の用法です。
(9)「とても」の意味国語学者の山田孝雄は、副詞を状態副詞・程度副詞・陳述副詞の3つに分類しています。
状態副詞状態副詞とは、動作の変化の仕方や出来事のあり方を表す副詞のことです。
先生がいきなり話し出した。
では、どのように先生が話し出したかを
息子の肩にそっと手を置いた。
では、どのように息子の肩にを置いたかを詳しく説明していますね。
雷がピカッと光った。
のような擬音語や
赤ちゃんがにこにこ笑っている。
のような擬態語も情態副詞に分類されます。
程度副詞「程度副詞」とは、状態性の意味のある語にかかって、その程度を限定する副詞のことです。
この漫画は、かなり面白い。
では、その漫画がどれくらい面白いかを
もっとゆっくり話してください。
では、話すスピードをどれくらいにしてほしいかを詳しく説明しています。
陳述副詞「陳述副詞」とは、述語の陳述の仕方を表す副詞のことです。通常、文末と呼応します。
おそらく、雨が降る()。
「おそらく」を見て、自然と
おそらく、雨が降るだろう。
という推量の表現が頭に浮かぶのではないでしょうか?
このように、上に一定の語があるときに、下にそれに応じる語形を要することを「呼応」と言います。
たとえ失敗しても、決してあきらめない。
であれば、
陳述副詞「たとえ」により、「ても」という仮定の表現が呼応陳述副詞「決して」により、「ない」という否定の表現が呼応していますね。
なお、陳述副詞は、あくまで「述語の陳述の仕方を表す副詞」です。句末・文末と呼応することが多いのですが、
この点数であれば、きっと合格できるよ。明日は、きっと来てください。
のような呼応する語がない場合もあります。
その答えになる理由2は、「つまらない」の程度がはなはなだしいことを表していますね。これだけ、程度副詞です。
そのほかは、後ろに否定の語が来ており「とても~できない」という不可能を表しています。これらは、陳述副詞です。
副詞については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご確認ください。
あわせて読みたい副詞とは?種類と用法を一覧でわかりやすく解説!【例文で学ぶ 日本語文法】今回は、✅ 副詞とは?✅ 副詞の種類と見分け方✅ 文法カテゴリに関係する副詞の分類✅ 名詞を修飾する副詞について、一緒に勉強していきまし...(10)肯定否定の対立その答えになる理由「肯定否定の対立」とあると難しく感じてしまいますが、選択肢を否定形に変えてみると簡単です。
1挨拶しません2訪問しません3連絡しません4失礼しません(?)5面会しません
「失礼します」で1つの慣用表現になっているので、否定形にすると不自然になってしまいますね。
4が正解です。
(11)「てくる」の用法解説「~てくる」の用法「~てくる」は、よく出てくる用法として、空間的用法・時間的用法の2つがあります。
【空間的用法】彼が自転車でやってきた。→移動してきたのは、「彼」
結婚式の招待状が送られてきた。→移動してきたのは、「招待状」
彼がたくさんの本を持ってきた。→異動してきたのは、「彼」と「本」
【時間的用法】留学生が増えてきた。→時間の流れとともに…
その答えになる理由選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1は、「トラック」と「荷物」が移動してきています。これは、空間的用法です。
2は、「お客さん」が移動してきています。これは、空間的用法です。
3は、「私」と「お弁当」が移動してきています。これは、空間的用法です。
4は、「米」が移動してきています。これは、空間的用法です。
5は、何かが移動してきているのではなく、時間と共に状態が変化しています。これだけ、時間的用法です。
(12)条件節の意味その答えになる理由条件節には、ざっくりと
確定条件 … 確実に起こる内容(ほか確実に起こるとは限らない条件(他の選択肢もある)の選択肢はない)仮定条件 … 確実に起こるとは限らない内容(ほかの選択肢もある)があります。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1の「明日になる」は、確実に起こりますね。これは、確定条件の内容です。
2の「1,000円出す」は、ほかの選択肢にすることもできますね。これは、仮定条件の内容です。
3の「タクシーに乗る」は、ほかの選択肢にすることもできますね。これは、仮定条件の内容です。
4の「この本を読む」は、ほかの選択肢にすることもできますね。これは、仮定条件の内容です。
5の「こちらの道を行く」は、ほかの選択肢にすることもできますね。これは、仮定条件の内容です。
(13)身体部位を含んだ表現の意味その答えになる理由これはサービス問題ですね。
1比喩表現で、実際に「腹を割っている」のではありません。2比喩表現で、実際に「口を挟んでいる」のではありません。3比喩表現ではなく、実際に「足を洗って」います。4比喩表現で、実際に「手を出している」のではありません。5比喩表現で、実際に「耳を貸している」のではありません。
3が正解です。
(14)ト格の意味その答えになる理由格助詞「と」(ト格)には、大きく
相手着点内容の3つの用法があります。
以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもあわせてご確認ください。
あわせて読みたい格助詞「と」(ト格)の用法【例文で学ぶ 日本語文法】今回は、✅ 格助詞「と」の用法【ト格】について、一緒に勉強していきましょう。この記事以外にも、文法の記事を数多く掲載しています。ぜひ、以下をブックマーク...今回の問題は、「相手」の用法をさらに細分化していますね。
相手の用法は、
① 共同動作の相手Aさんと図書館で勉強をした。
② 相互動作の相手Aさんと口喧嘩をした。
③ 基準としての相手Aさんとカバンの趣味が合う。
の3つに細分化することができ、各選択肢は、①②のいずれかに分類することができます。
「① 共同動作の相手」は、1人でもできる動作を誰かと行っています。
Aさんと図書館で勉強をした。
であれば、「Aさんと」を除いても文が成立しますね。
「② 相互動作の相手」は、誰かと一緒でないと動作が成立しません。
Aさんと口喧嘩をした。
であれば、「Aさん」を取り除くことができないですね。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1の「見た」は、1人でも動作が成立しますね。この場合のト格は、「① 共同動作の相手」の用法です。
2の「楽器を弾いた」は、1人でも動作が成立しますね。この場合のト格は、「① 共同動作の相手」の用法です。
3の「歌った」は、1人でも動作が成立しますね。この場合のト格は、「① 共同動作の相手」の用法です。
4の「飲んだ」は、1人でも動作が成立しますね。この場合のト格は、「① 共同動作の相手」の用法です。
5の「けんかをした」は、1人だと動作が成立しないですね。この場合のト格は、「② 相互動作の相手」の用法です。
(15)直示表現(ダイクシス)解説直示表現(ダイクシス)「直示表現(ダイクシス)」とは、言語活動において、発話現場にいなければ意味が成立しない性質のものです。
これが私の新しい自転車だ。
と言われたときに、発話の現場にいないと「自転車」がどれを指しているかがわからないですね。
また、
2日後までに、この仕事を終えてください。
も、発話の現場にいないと「2日後」がいつを指すのかがわかりません。
これらの場合の「これ」「明日」は、直示表現(ダイクシス)にあたります。
その答えになる理由選択肢を1つずつ見ていきましょう。
1の「こちら」が指しているのは、発話側です。現場にいて、どちらの発話化がわからないと、どちら側を指しているのかがわからないですね。これは、直示表現(ダイクシス)です。
2の「後ほど」は、発話のタイミングによって、いつを指すかが変わりますね。発話の現場にいないと内容がわからないので、直示表現(ダイクシス)です。
3の「そこ」は、文脈から「駅」だと判断できます。現場にいなくても内容がわかるので、直示表現(ダイクシス)ではありません。
4の「今週」は、発話のタイミングによって、いつを指すかが変わりますね。発話の現場にいないと内容がわからないので、直示表現(ダイクシス)です。
5の「川の向こう側」は、話し手がどちら側にいるかによって、指す場所が変わりますね。発話の現場にいないと内容がわからないので、直示表現(ダイクシス)です。
次の問題はこちらあわせて読みたい【令和2年度 日本語教育能力検定試験 過去問】試験Ⅰ 問題2の解説!令和2年度 日本語教育能力検定試験の試験問題における試験Ⅰ問題2の解説です。お手元に、問題冊子をご用意の上でご確認ください。 前の問題はこちら https://japanes...過去問解説の一覧はこちらあわせて読みたい日本語教育能力検定試験 過去問 解答解説過去問に掲載されているのは解答のみです。「解答だけ見ても、しっくりとこない…」「きちんと正答・誤答の理由を確認したい」という方は、ぜひご活用ください。 まずは...