水産業界は、漁業や養殖、加工、卸、販売によって成り立っている。ここでは水産業界をリードする大手3社(マルハニチロ、ニッスイ、極洋)について見ていく。
※日本水産は2022年12月、社名をニッスイに変更した。
売上高と海外売上比率ランキング大手3社の売上高ランキングは次の通り。
1. マルハニチロ:8,667億円2. ニッスイ:6,936億円3. 極洋:2,535億円マルハニチロが水産業界の最大手であり、ニッスイ、極洋と続く。
大手3社の海外売上比率ランキングは次の通り。
1. ニッスイ:35.7%2. マルハニチロ:18.5%3. 極洋:10%未満ニッスイは日本の他、北米と欧州でそれぞれ約1,100億円(15%程度)を売り上げている。マルハニチロの北米や欧州での売上はニッスイの半分に満たない、それぞれ500億円程度である。極洋の海外売上比率は10%に満たないため、開示されていない。
※いずれも2022年3月期の業績。
利益と利益率ランキング大手3社の営業利益ランキングは次の通り。
1. マルハニチロ:238億円2. ニッスイ:270億円3. 極洋:63億円売上ランキングと順位に変わりはないが、1位マルハニチロと2位ニッスイの差が小さくなっている。
大手3社の営業利益率ランキングは次の通り。
1. ニッスイ:3.9%2. マルハニチロ:2.7%3. 極洋:2.5%他2社に比べニッスイの利益率が高い。ニッスイは効率的に利益をあげていることが分かる。ただ、業界の傾向として、総じて利益率が高いとは言えない。
※営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高
年収ランキング大手3社の年収ランキングは次の通り。
1. ニッスイ:801万円(42.7歳)2. 極洋:713万円(40.6歳)3. マルハニチロ:705万円(41.8歳)金額は平均年間給与、( )内は平均年齢である。
大手3社の事業セグメント最大手マルハニチロは次の3つのセグメントで事業を展開する。
・水産資源事業・加工事業・物流事業ニッスイは次の4つのセグメントで事業を展開する。
・水産事業・食品事業・ファイン事業・物流事業極洋は次の4つのセグメントで事業を展開する。
・水産商事事業・食品事業・鰹・鮪事業・物流サービス事業大手3社の沿革マルハニチロの沿革マルハニチロは1943年、西大洋漁業統制㈱として設立された。1993年にマルハに社名を変更。
2004年にマルハグループ本社を設立し、マルハその子会社となった。2007年、親会社のマルハグループ本社はニチロを買収し、マルハニチロホールディングス(HD)と社名を変更した。2008年、マルハはマルハニチロ水産に社名を変更する。
2014年、マルハニチロ水産は親会社のマルハニチロHDなどを吸収合併し、東証一部へ上場する。同時に社名をマルハニチロと変更し、現在に至る。
【 社名の変遷 】西大洋漁業統制 → … → マルハ → マルハニチロ水産 → マルハニチロマルハグループ本社 → マルハニチロHD → 子会社のマルハニチロに吸収され消滅ニッスイの沿革ニッスイは1943年、日本海洋漁業統制㈱として設立された。1945年、日本水産と社名を変更し、1949年には東証へ上場を果たす。
日本水産は2022年12月、社名をニッスイに変更し、現在に至る。
極洋の沿革極洋は1937年、極洋捕鯨㈱として設立された。1949年、東証、大証、名証に上場を果たす。1971年に社名を極洋へ変更し、現在に至る。
大手3社の子会社と関連会社の一覧・マルハニチロの子会社と関連会社 一覧・ニッスイの子会社と関連会社 一覧・極洋の子会社と関連会社 一覧