問題Ⅵ次の(56)から(60)の______の言葉の意味が、はじめの文と最もちかい意味で使われている文を、1?2?3?4から一つ選びなさい。
(56).足……事故で電車が止まったので、家に帰る足がなくなってしまった。
1.大阪に行くのなら、ぜひ京都まで足をのばしてください。
2.ここから銀行までは、君の足なら5分くらいだろう。
3.少々足の便が悪いですが、静かで良いホテルです。
4.見込みが外れて、少し足が出てしまった。
(57).遠い……政治は庶民にとって遠い存在であってはいけない。
1.あの人と恋人同士だったのは遠い昔の話だ。
2.研究の完成にはまだ遠い。
3.年をとると、耳が遠くなってくる。
4.親しかった友人でも、長く会わずにいると、遠く感じるようになるものだ。
(58).ふさがる……今、手がふさがっているので、ちょっと電話に出てくれ。
1.あきれて開いた口がふさがらない。
2.金曜日は会議室はすべてふさがっています。
3.手術の傷がきれいにふさがった。
4.その時は悲しみで胸がふさがる思いだった。
(59).勘定……この店の勘定なら、さっき小林さんがすませましたよ。
1.お勘定したいんですけど、カードでもいいですか、現金でないとだめですか。
2.こんな天気になることは勘定に入れていなかった。
3.田中さんも参加者として勘定してよろしいでしょうか。
4.何度数えても、なかなか勘定が合わない。
(60).流れる……結局、その計画は流れてしまった。
1.雨で連動会が流れたそうだ。
2.あれかち10年の歳月が流れた。
3.形式的?表面的な議論に流れないよう、注意しよう。
4.この作家の作品には、みな同じ思想が流れていると思う。
問題VII次(61)から(65)の言葉の使い方として最も適切なものを、それぞれの1?2?3?4から一つ選びなさい。
(61).まるまる
1.来ている人たちまるまるにプレゼントを用意してあります。
2.昨日の発表はとても好評でまるまるだったそうだね。
3.せっかくのアイデアをまるまる人に使われてしまった。
4.そこでまるまる寝ているのが私のネコです。
(62).交付
1.国から各大学に補助金が交付された。
2.国民には国に税金を交付する義務がある。
3.今月の給料が交付されたら、新しいくつを買うつもりだ。
4.隣の人に旅行のおみやげを交付した。
(63).軽率
1.お酒は軽率を引き起こしますから、気をつけましょう。
2.人を軽率に批判するのはやめた方がいい。
3.よく考えないで軽率してはいけない。
4.私の軽率の行動で、多くの人に迷惑をかけてしまった。
(64).露骨
1.新しいめがねにしたら露骨に見えるようになった。
2.開始時間は露骨に知らせておきました。
3.昔のことはあまり露骨に覚えていない。
4.露骨にいやな顔をしてはいけない。
(65).おごる
1.この本は私が父におごったものです。
2.今日は私がおごるからどんどん注文して。
3.手作りの料理をおごっていただいて恐縮です。
4.入学祝いに気持ちばかりのプレゼントをおごった。
読解·文法 (200点90分)
問題Ⅰ次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。答えは、1?2?3?4から最も適当なものを一つ選びなさい。
来世紀に向けて、個人レベルであれ地域社会?地球規模であれ、科学技術の進歩ゆえに いっそう複雑になっていく問題に対して、個人が判断しなくてはならない局面が増えていくことだろう。その時に自分なりに納得のいく判断を下すためには、科学に無関心?無理 解を決めこんだ(注1)りせず、ふだんかち科学に日を向け、科学的な考え方にふれている必要が あるだろう。つまり、①科学と社会を結びつける良質の情報が必要なのである。その情報は自分の行動に役立てるために受信するだけではなく、場合によっては、自ら責任ある発信者となるために役立てることも大切である。
残念なことに、科学者がもたらした成果は、そのままでは判断材料としては②役に立たないことが多い。まず、専門用語ゆえに科学はとりつきにくい。科学が高度になり細分化したために、領域が異なれば科学者でも理解が困難な状況になってしまっている。良質の情報は優れた③表現能力をともなわなくてはならないが、実際のところ、研究に専念している科学者には時聞的余裕がなく、そうした表現能力を磨くいとま(注2)もないのが普通である。
一方で、④科学者にも良質の情報が必要である。科学者は何かしら新しいことを世界に先駆けて発見?発表することに熱中するものである。その結果が化学?生物?核兵器の開発に加担する(注3)ことはないか、あるいはわれわれの生活ないしは地球という生態系(注4)に思いもよらぬ影響を与えることがないかに思い(注5)を馳せる機会は、必ずしも多くはない。⑤こうした点に関して、科学者は外部から指摘される必要がある。
(⑥)、最先端の科学の研究成果とその社会的意味を科学に慣れ親しんでいない人に、また社会的意味については科学者に対しても改めて説明する人材、つまり科学の"インタープリター"が必要となる。インタープリターは専門用語の単なる直訳者(注6)ではなく、問題を指摘し、進むべき方向を示唆(注7)する、科学と実生活の橋渡しをする解説?評論者である。かれらが架けるその橋は、専門化した科学技術を公開して市民を啓蒙(注8)するという一方通行のものであってはいけない、インタープリターには科学者がふだん忘れがちな社会への波及(注9)効果、倫理的(注10)問題、他の科学技術や学問分野との連繋(注11)の可能性なども鋭く指摘してほしい。また、一般の人の科学に対する素朴な疑問の中からインタープリターが斬新(注12)な考 えを吸い上げることで、科学者は思いもよらぬ発想転換のヒントを得られることも考えられる。
現在でも優れた作家、評論家、科学者、ジャーナリストなどが先端科学のインタープリターとして活躍しているが、21世紀に向けてその活躍はますます期待されている。
(課田玲子「杜会のなかの科学、科学にとっての社会」『現代日