ビジネスでメールのやり取りをする際、相手から質問をされることもあるのではないでしょうか。そのようなときは質問を引用して返信すると便利ですよね。しかし、その引用は正しく行われているのでしょうか。
実は引用にも種類があり、それぞれでメリットやデメリットが存在します。本記事では、ビジネスシーンでよく使われる「引用」について、引用の種類とそれぞれのメリット・デメリット、引用をする際の注意点などを解説します。
メールの引用には種類があります。しっかりマスターしましょう
メールの引用(インライン)とはメールにおける引用とは、相手から受信したメールの文章を引用し、そこに自分の回答を差し込んで文章を作成することで、「インライン」ともいわれます。
一つのメールで複数の話題がある場合、インラインを用いることで、どの話題に対しての回答なのかを明確にすることができます。
インラインでの返信をするときは、「>」や「>>」といった不等号を文頭につけるのが一般的です。
メールの引用には、部分引用と全体引用の2種類があります。下記でそれぞれについて詳しく説明するので、最後まで要チェックです。
メールの部分引用とはメールの部分引用とは言葉の通りメールの一部分のみを引用し、返信する方法です。
所属する企業や業界にもよりますが、仕事でメールをするときに部分引用を使う機会は多いのではないでしょうか。そのため、部分引用はしっかりマスターしておきましょう。
部分引用の利点と欠点部分引用を使うことで相手にとって読みやすいメールとなります。例えば、相手からのメールでいくつかの質問があった場合、相手からの質問を引用して返信した方が、どの質問への返答かがわかりやすく、メールとしてとてもスマートです。
引用返信を使う際は、「> 」「“”」などの記号などを使うとよいでしょう。記号を用いて引用部分がわかるようにすることで、メールがわかりやすいものになりますよ。
メールの部分引用の例メールの内容に複数の質問がある場合、引用を使わずに返信をしてしまうと、どの質問に対しての質問かわからないことがあります。
このような混乱を防ぐために、相手から質問が複数来た場合は、部分引用を使用しましょう。
では、具体的に部分引用を使うメールの事例をみていきましょう。
山田様
お世話になっております。
表題の件、お問い合わせいただきありがとうございます。
下記にて返答いたします。
> 次回の会議は、東京本社ビル3Fの会議室にて2月1日午前11時から開始ということでよろしいでしょうか。
次回会議は東京本社ビルの3F会議室ですが、日時は2月3日の11時となっております。
> 請求書の提出期限はいつまでだったでしょうか。また、どちらに提出すればいいでしょうか。
請求書は、2月1日の昼12時までにご提出をお願いいたします。提出場所は東京本社ビルの経理課までお願いいたします。
以上、よろしくお願いいたします。
部分引用は使う場面も多いのでしっかりとマスターしましょう
メールの全文引用とはメールの全文引用は、相手のメールをすべて引用して返信する方法です。次に、全文引用について解説します。
全文引用の利点と欠点全文引用を使用した際の利点は、相手からのメールをすべて引用するので、そのメール1通ですべてが理解できるというものです。
メールの内容に対して過去のメールを確認したい場合、本来であれば過去のメールを検索して確認しなければいけません。しかし全文引用はそのメールで確認できるので、過去のメールを探す手間が省くことができます。
しかし、全文引用は相手からのメールを全文引用するためメールがとても長くなってしまうことが欠点としてあげられます。メールを見たと時にあまりにもメールが長いと、読む気がなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。そのため、全文引用は多用はせず、必要な時にのみ使いましょう。
メールの全体引用の例全文引用を使うシチュエーションは、企画案など互いに相談して作り上げていく過程を残したい場合が多いです。
また返信が2週間後になってしまった場合など、時間が経過してしまい相手がそのメールの内容を忘れてしまっている可能性がある場合も、全文引用を使用すると相手がメールの内容を簡単に遡ることができます。
それでは全文引用の場合のメールを、事例で確認してみましょう。
山田様
お世話になっております。
企画提出スケジュールを共有くださり、ありがとうございます。
特に問題点もございませんので、以下のスケジュール通り進めていただきますようお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
-------------Original Message-----------------
(以下前回のメールを全文引用)
このように、どこからが引用部分なのかはメールをスクロールした時にすぐにわかるように工夫するのがいいでしょう。
簡潔なメールにするために全文引用はむやみにつかわないようにしましょう
メールを引用する時のマナー・注意点メールの引用を使う場合に注意すべきポイントがあります。ここでは、引用返信の際の注意点を解説します。
インラインで返信することをあらかじめ伝える引用返信をするときは、あらかじめ「インラインにて回答いたします」「インラインにて失礼いたします」と一言伝えておくのが無難です。
なかには、インラインでのやり取りに抵抗があるという人も存在します。相手を不快な思いにさせないよう、前もってインラインで回答することを一言添えておきましょう。
不等号を用いてわかりやすく引用する引用返信をするときは、どこが相手からの引用でどこが自分の回答なのか、分かりやすくすることが重要です。
読みづらいメールは相手にとってストレスになります。どこが引用部分なのか一目で分かるよう、不等号などを用いて読みやすいメールを作成しましょう。
Reは残して返信する引用返信を使用する場合は、相手がどのような件名で送ったメールの返信かわかるように、件名は変えずに返信という意味の「Re」をつけて返信しましょう。ただし、現在のメールではほとんどのケースで、返信する際には自動的に「Reが」つくようになっているため、特段に意識する必要はありません。
Reが何回も続く場合は、工夫する先にReをつけて返信すると述べましたが、メールが何回も往復する場合、Reの数が多くなってしまい、肝心の件名が見えなくなってしまうことがあります。
何度も往復した場合、メールの内容が当初の件名とは違う内容になっていることも多いですよね。その場合は都度件名を変えるか、Reを削除して件名が見えるようにしておきましょう。
Reの削除はどうしても忘れがちですが、件名の見やすさが変わるので意識しましょう
メールの引用返信を活用してやり取りをスムーズに引用返信は、特にビジネスシーンで頻繁に使うメールの機能のひとつです。しっかりと引用返信をマスターすることで相手にとってもわかりやすいメールになりますし、文面での行き違いなども生じにくくなります。メールでのコミュニケーションを円滑に行うためにも、引用をマスターしておきましょう。